アルミに比べて埋蔵量が少なく、その不足が大きな影響を及ぼしている銅。広範囲で使用される鉱物であり、銅を使用する分野が急成長している一方、調達はより難しくなっています。そんな銅について、調達に強い会社を紹介し、調達をめぐる現状と見通しを解説します。
黒谷株式会社は、銅スクラップを回収して純良な銅スクラップを選別・プレス処理し、伸銅メーカー向けに販売している会社です。主に回収された配電線の被覆を剥いたものやナゲット処理したものをスクラップとして処理を行っていることが特徴。今後不足することが予想されている銅をリサイクルし、地球環境保全と原料・素材の確保に貢献しています。
メタルリサイクルが黒谷株式会社の主な事業であり、銅スクラップだけでなく銅合金やアルミのスクラップも回収・再利用をしています。純良な銅だけでなく、純度の低い銅スクラップもリサイクルが可能な同社。銅インゴットと呼ばれるものを製造し、アルミニウム青銅インゴットの製造においてはかなりの製造量を積み上げてきました。
マザー工場である秦野工場を中心として、5工場による銅製品の生産を行っているKMCT。日本、タイ、マレーシアと、アジア圏にその勢力を広げています。特にタイの工場では年間3万トンの優れた銅管を製造しており、東南アジアでも指折りの新しい鋭銅管専門工場だとされています。品質の高い銅管の調達をお考えなら、KMCTは必ずチェックしておきましょう。
銅の調達・加工だけでなく、銅管の優れた特性に樹脂管の加工性をあわせもつ「キュプロサーモCTX」という新世代の配管材を製造していることがKMCTの特徴のひとつ。銅管を薄肉化してコストダウンし、かつ重量が従来の半分。切断がしやすく、施工性が向上しました。抗菌性、リサイクル性、耐震性、耐凍結性、熱伝導性など、銅管の優れた特性はそのまま残っており、性能が高まっているという画期的なものです。
古河機械金属では、委託製錬により電気銅を生産し、その生産量は年間7万トンにものぼるのだとか。主原料となる銅精鉱を海外から調達して、小名浜製錬株式会社、日比共同製錬株式会社などに委託製錬をすることで銅の生産体制を構築。ネットワークやノウハウが必要な海外からの調達を行っている点が心強い存在です。
機械事業と素材事業が2本の大きな柱となっている古河機械金属。産業機械やロックドリル、ユニックの製造と、銅や金・銀、硫酸、高純度金属ヒ素、窒化アルミセラミックス、酸化銅といった素材の製造に力を入れています。
辰己屋金属では、豊富な社内在庫をもっているため短納期での材料供給が可能です。通常は1週間~10日ほどかかる調達が、辰己屋金属なら自社加工を行い最短で当日または翌日の納品が可能です。納期が短いので必要なときに必要な分だけオーダーすればよく、在庫を多く確保して在庫リスクを抱える必要がありません。メーカーとの協力関係があるので安定供給を実現しているのも強みのひとつです。
銅の調達以外にも、黄銅、銅合金、リン青銅コイル材の供給を行っている辰己屋金属株式会社。加工技術もあるため、パイプ曲げ加工や精密切削加工などのサービスも提供しています。小ロットでも対応してくれるのは中小企業ならではの強み。自社金型と協力工場の金型、それぞれの設備を組み合わせながら、クライアントのオーダーに応えてくれます。
岐阜精器工業では、自社工場と協力工場のネットワークを駆使して高品質、短納期、低コストでの金属加工部品の生産・調達を行っています。中国、香港に進出して20年の歴史があり、アジアの協力工場と連携してさまざまな加工品を調達することが可能。輸入したものは岐阜精器工業が品質検査して出荷するので、品質は高くても低コストでの調達が実現できます。
金属加工品の調達だけでなく、設計や図面の用意のサポートしてくれる岐阜精器工業。既存製品を分析してコストを下げるだけでなく、設計段階から材料や工法を考慮し、相性の良い方法の提案もしてくれます。
また国内工場でも金属加工、樹脂加工を行っており、試作品などの小ロットからでの発注にも対応。幅広い場面で頼りになる存在です。
銅を含む非鉄金属の不足は、ウクライナ危機に端を発する現象です。埋蔵量が鉄やアルミに比べて極端に少ない銅は、リサイクルをしたとしても供給量が不足すると言われています。その上に、太陽光発電などの先進的な技術には銅が欠かせないため、技術の進化とともに銅の不足は深刻化していくのです。
取引所の在庫量は極端に少なくなっていて、一方で相場は低迷しています。銅に対して十分な投資が行われず、また投資に値するような価格をつけていないことで、銅の生産量は増加する様子が見られません。
銅をはじめ、金属や鉄鋼、半導体は特に原材料不足が長期化しているもの。しかし原料不足と価格高騰のコスト上昇を製品価格に転嫁することは難しく、メーカーの立場を苦しくしています。銅の価格はコロナ禍で軟調になっていたものの、2020年12月には約7年ぶりとなる8,000ドル台に乗せる上昇ぶり。その後は中国の電力供給制限やロックダウンの影響を受け、価格は上下を続けています。
参照元:MONOist (https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2206/01/news024.html)
国内銅電線の出荷統計を見ると、出荷量は立て続けに落ち込んでいます。自動車や電力、通信、輸出などの部門で出荷量が落ちている様子が見られます。銅は非常に幅広い範囲で使用されるので、特定の部材で銅不足が顕著だというよりも、全体として銅の供給が不足している状況です。さまざまな分野で銅不足の影響があり、製品の供給が遅れています。
参照元:Yahoo!Japan ニュース(https://news.yahoo.co.jp/articles/a45054121c3efd1ef34d92225dd5612d36e72b24)
電気自動車の普及は今後避けられないものと見ていますが、電気自動車に銅は欠かせない素材。銅への依存度が高く、精錬や製造の問題ではなく埋蔵量のレベルで不足することは免れられないと考えられています。この危機を回避するためには、代替品の提案やリサイクルという方法が考えられるでしょう。
クリーンエネルギーを十分に行きわたらせるためには、より多くの鉱物資源が必要。特に銅は不足するシナリオが見えています。ほかにもリチウム、コバルト、ニッケル、グラファイトといったレアメタルの不足も想定されており、今後は鉱物資源の取り合いになることは想像に難くありません。
銅不足は相当に深刻で、今後も間違いなく不足していくことでしょう。価格は上下に変動があると思いますが、そもそも埋蔵量が供給を満たさないという問題があります。そんな中で銅を必要とする産業では、より銅の調達が難しくなっていくと考えられます。銅の調達支援会社を上手に使って、在庫の確保を積極的に進めておきましょう。