半導体や電子部品が入手困難になり、工作機械も供給が不足して調達が難しい状況となっています。これまでは輸入することの多かった工作機械を国内調達に切り替える動きも見られるようになりました。ここでは工作機械の調達を支援する会社や、部材調達を取り巻く状況をご紹介します。
Kトレードでは、産業機械や設備の部品調達を手がけています。自動車製造ラインのベースからロボット機器部品まで対応可能で、鉄鋼をはじめステンレス、アルミ、銅、樹脂、ゴムといった幅広い素材を扱っていることが特徴。小さな旋盤品から10m近い大きなものまで対応しています。設計から材料調達、加工、組付までワンストップトレードに任せられるので、やりとりの手間が少なくて済むのも大きなメリットです。
自動車の販売・買取や車検、修理・板金を手がけています。あわせて自動車保険や損害保険の販売の代理店としても事業を展開しているKトレード。産業機械の調達に限らず、輸出・輸入の代行を手がけており、中国・韓国・ベトナム・アメリカなど日本の間での部品や機械工具の輸出入をサポートしてくれます。
ミスミグループは、機械部品の見積りや製造をデジタル化し、部品の調達にかかる時間を大幅に削減することに成功しました。これまでであれば、2D図面の作成や修正、購入依頼、見積り依頼と精査、発注などでかかっていた時間が、3D設計の図面を渡すだけですぐに見積りが表示され、発注できるというシステム。機械部品の調達の革命と言ってもいい技術を提供しています。
ミスミグループは、板金加工や切削加工について単純でも複雑でも最短1日目出荷というスピード対応が可能。部品を標準化し、加工途中の製品をストックしておいて、オーダーがあった段階でさまざまな形状に加工するという「半製品」を活用。低コスト・確実な短納期を実現しました。豊富な商品バリエーションを誇りながら在庫を最小限に抑えるミスミの技術は注目に値します。
ハイパーウェブは、アジアに500社以上の優良工場(2022年1月時点、公式HPより)とのネットワークを持っている会社。設計・組立・部品製造の指導や品質管理を続けており、アジア全域から見積もりをもらっての調達が可能です。豊富な生産実績をもち、また多くの生産・加工ノウハウを各工場で構築しています。クライアントのリスクを最小限にし、かつ利益貢献を最大限にすることを目指している商社です。
産業用機械部品、工作機械部品、そして半導体装置部品を扱っているハイパーグループ。提携している工場は、必ず現場見学を行い、独自の品質管理基準と照合して十分な品質を持っていることを確認しています。ただ安い部品を調達してくるのではなく、加工精度や生産能力を把握した上で、より良いソリューションを提案できることがハイパーグループの強みと言えるでしょう。
伊藤精密工具製作所では、「精密部品調達コストダウン.com」というサイトを運営。「コストは下がるものの品質が悪い」、「検査まで請け負ってほしい」などの調達の悩みを解決してくれます。選りすぐりの加工会社を選定しており、品質の高い調達を実現。ゲージメーカーである同社の図面・部品管理能力を活かし、納期と精度を確保し、全品検査も実施してくれます。
伊藤精密工具製作所は、もともとゲージ設計のプロ集団。ミクロン精度の研削加工を得意としています。精度の高い加工技術をもって検査をしてくれるので、部品調達の面でも安心です。量産部品の点検や品質保証に使われる各種ゲージを製作していて、この技術と製品が航空機部品、医療機器、産業機械、デジタル家電などの分野に活かされています。
工作機械は、需要はあるもののさまざまな部材の納期が長期化しており、製造ペースが落ちていることが原因となっています。各社で部材の先行手配などの対策はしているものの、需要に追いつくほどの製造が間に合わず、工作機械不足となりました。
加えて、自動化・高効率化を目的とした設備投資が堅調に推移していることから、需要は伸びる一方。供給が追いつかず、需要が伸びているので工作機械の不足が進んだと考えられます。
工作機械はオートメーション技術が進み、効率化へ取り組む企業が多かったことが最近のトピックとなっています。あわせて金型が進化していることもあり、モノづくりは大きな変化を遂げたと言ってもよいでしょう。
サプライティーンのローカル化が進んでいる現在、海外で製造した金型を輸入する時代から国内で生産して国内で使う時代が戻りつつあります。工作機械の需要は大きく、調達は現状では引き続き厳しい状況が続くでしょう。
大量生産や合理化が進み、さまざまな分野で需要に応える量の生産ができるようにはなりました。しかし、量産には対応していないもの、クオリティの高いものは、需要に応える供給がありません。
たとえば航空機の精密部品や特殊工作機械などの一点物の部品。切削工具のかわりに砥石車を使って加工する研削盤。こういったものはクオリティが高く、より精密で高度な加工を可能にしてくれるものです。大量生産ができない一方でクオリティは求められるので、どうしても不足してしまうのです。
工作機械不足への対策として、政府は安定供給を確保する特定重要物資に工作機械を含む11分野を指定しました。これは今後需要が大きく見込まれるという見通しがあり、不足することで国民生活や経済活動に支障が出ると判断されたもの。
しかし現状では在庫の確保は難しく、需要の落ち着きや供給の強化を待つしかない状況です。海外で生産したものを輸入するのではなく、国内ローカルで生産して国内調達する流れにはなってはいますが、部材不足でそれも十分ではない状況。今後の不足を見越して、在庫を多く確保しておくことが求められそうです。
日本工作機械工業会によれば、11月の工作機械受注額は北米向けが17%ダウンで、1年4ヶ月ぶりの低水準となりました(※)。利上げが続く米国において、設備投資に慎重になっていることが原因と考えられます。
参照元:日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC215Q50R21C22A2000000/)
このように需要が落ち着いてくるようなら、工作機械不足も緩和される可能性はあります。しかし米国のインフレが落ち着き、再び設備投資が活発化すれば工作機化の不足のリスクも高まるかもしれません。経済の動向を見ながら、確実な在庫確保に努めるべきでしょう。
工作機械は、半導体や電子部品の慢性的な不足のあおりで引き続き供給が不足しています。需要と供給の上下は今後も続いていくと考えられるので、在庫はこれまでよりも多めに確保しておくこと、必要に応じて部材調達支援会社を利用することを検討しておくとよいでしょう。